心の歯車

 

『父母は常に 子を念(おも)へども

子は父母を 念(おも)はず』

 

日蓮聖人のお言葉です。

 

私にも二人の子がいますが、まだ小中学生であり、私自身がまだ40代ということもあって、

子どもたちに親の心配をしてほしいとは思っていません。

「子どもたちが元気に育っていってくれればそれで充分」

それがいまの正直な気持ちですが、きっと自分が高齢になったら感じ方も変わってくることでしょう。

 

さて、冒頭の日蓮聖人のお言葉が教えていること、

それは、まずは「親孝行」の大切さ、これはもちろんですが、

私は、子供自身の「心の問題」にも触れた教えではないかとも感じました。

 

一番近い存在であるお父さんお母さんのことを心配する余裕もない、

そんな心持ち、そんな生活は、どこかあなた自身の『心の歯車』がおかしくなっていませんか?

 

そんなメッセージに私は受け取れました。

 

自分自身を振り返ってみても、

普段の生活で心の余裕が無く、

”心を亡くす”という文字通り、”忙しさ”のなかで自分の「本心」を亡くしてしまっている時は、

ふと両親のことを案じることさえ忘れてしまいがちです。

 

日蓮聖人の別のご文章には、

『我等が心の内に 父をあなづり 母をおろかにする人は 地獄その人の心の内に候』

という厳しいお言葉がありますが、

私はこのご文章を読むたびに反省してしまいます。

父母を心配する余裕もない、イライライライラ”地獄の心”になっていないかと。

「怒るは地獄」と言いますからね。

 

”こころ”はすべての根源ですから、

『心の歯車』が狂ってしまったら、日々の生活や人間関係などに悪い影響が出るのは当然です。

 

『最近 両親のことを考えてるかな?』

 

そんな自問を、自分の『心の歯車』の基準にしてみてはいかがでしょうか?

 

合掌

 

 

☆新型コロナウイルスへの警戒意識が緩み始めた昨今ですが、

どうぞ今一度 日々のウイルス対策の習慣、「命を守る習慣」を大切にして頂きたく

一心にお祈り申し上げます。

南無妙法蓮華経