ひたむきに
境内裏の生垣にある「山茶花(さざんか)」がピンクや白のたくさんの花を咲かせています。
「山茶花」
と書いて、どうして「さざんか」と読むのか不思議に思っていたのですが、
どうやら、本来の読み方である
『さんざか』
が訛っていって、「さざんか」という読みが定着してしまったようなのです。
言葉って本当に面白いですよね。
椿(つばき)と山茶花とは見た目はよく似ていますが、
皆さんご存知のように、その花の散り方が全く異なります。
花が丸ごとボトッっと落ちてしまう椿に対して、山茶花は花びらが一枚づつヒラヒラと散っていきます。
真冬の薄暗い時間に見ると、散り落ちた白い山茶花の花びらが雪と見間違えてしまうほどに美しいのです。
そのように、多くの植物が休養している冬の時期に、”頑張って”人の心を華やかにしてくれる山茶花ですので、
「ひたむきさ」
という花言葉が付いているそうです。
以前、『ちょっと読んでみませんか』第47話で
「地涌(じゆ)の菩薩」
を取り上げました。
↓
https://www.hongenji-shiraito.jp/manasys/wp-content/uploads/6e8cf38ff495711f068ad217d27fa969.pdf
どんな困難な時代や状況にあっても、
周りに流されず、自分の能力の範囲で、”ひたむきに” 周りを明るくする「修行」を
行っている菩薩さんです。
実は私たちみんなが「地涌(じゆ)の菩薩」の素質を持っているんですよ!
というお話をしました。
きっと山茶花も、植物という存在ながら、自分の能力・生命を存分に発揮して、
”ひたむきに” 周りを明るくする「修行」
を頑張っているんだろうな…
そう考えると、花が、より愛おしく見えてきます。
そして、自分自身もそうありたいな、とあらためて感じました。
自然から教わることって、本当に多いですよね。
まさに「ほとけさま」です。
合掌