「赤い」「明らか」「諦める」

境内の紅葉が今年も綺麗に赤く色付きました。

今年は暖かい日が続いたので、色付くのが少し遅かったようです。

 

日本人は紅葉を見るとなんだか華やかな気持ちになりますが、

とりわけ、この「赤色」は気持ちをパッと「明るく」させ、元気が沸いてくるような気がします。

 

「赤」について辞書を引くと、その原義は「明」であり、

「はっきりしている」とか「あきらかである」という意味があります。

たしかに、嘘偽りの無いことを『赤誠(せきせい)』と言いますし、

『赤の他人』という言葉にも「赤」を使いますよね。

 

 

仏教では、物事の道理をはっきりと悟ることを

『諦める』…あきらめる

と言います。

その意味は、まさに、道理を「明らかにする」ことです。

 

現状のコロナ禍のような混乱した状況にあると、ついつい感情的になり、

道理に「暗く」なってしまいがちです。

 

こういう時こそ、「赤い」紅葉をみながら、ホッと深呼吸をして、

物事や状況を冷静に「明らかに」見つめてみませんか。

 

そんな習慣の先に、『諦める』 という悟りの境地があるのだと思います。

合掌 南無妙法蓮華経