「着生」と「共生」

写真に写っている植物、何かご存知ですか?

私はお寺に入るまで、この植物のことを全く知りませんでした。

 

この植物は、

 セッコク(石斛)

といって、古くから日本の自然のなかで自生するラン(蘭)の一種で、

漢方薬としても使われてきたそうです。

 

この写真のセッコクは、実は、本堂前にあるカシワ(柏)の木の幹に生えているのです!

 

セッコクは、

「着生」植物

といって、木や岩コケにくっついて育つ植物なんですね。

似たタイプの植物に

「寄生」植物

という種類のものもありますが、こちらは、くっついた木から栄養を取って育ちます。

 

一方「着生」植物のほうは、栄養は自分で取って育つので、

いってみれば、くっついた先の木やコケと共生する

「共生」植物

とも言えるような気がします。

 

セッコクの花言葉「あなたを元気づける」「豊かな笑顔」

も、「共生」のイメージとぴったり合います。

 

 

令和の世になっても、哀しいかな、人間界では領土や資源の奪い合い・戦争が止むことはありません。

 

「地球」という場所で「共生」するもの同士、お互いに「元気づける」「笑顔で励まし合う」、そんな仲でありたい。

「国や町」という場所で「共生」するもの同士、お互いに「元気づける」「笑顔で励まし合う」、そんな仲でありたい。

「家庭」という場所で「共生」するもの同士、お互いに「元気づける」「笑顔で励まし合う」、そんな仲でありたい。

 

満開のセッコクを眺めながら、そんな想いを抱きました。

 

 

カシワとセッコクの仲良く「共生」する姿を見に、ぜひお寺に足をお運びください。

合掌 南無妙法蓮華経