「五感」を味わう

庫裏で寺族が育てているバラが大輪の花を咲かせました。

咲かせた直後から、黒アゲハ、黄アゲハ、青スジアゲハ、そして、モンシロチョウ、モンキチョウ…と

色とりどり蝶々たちが、薔薇の強い香気に惹きつけられて、順に訪れて参りました。

 

そして、、、

なんとついに、一匹のアマガエルちゃんが花びらに居座ってしまいました。

丸一日たっても移動する気配はありません。

 

カエルにとっても、薔薇の香気が心地良いのか、

それとも、ただ花びらの居心地が良いのか、

本当のところは本人(本カエル?)のみぞ知る、ですね。

 

 

さて、仏教では『香り』の供養をとても大切にしますね。

焼香・線香・抹香などの「お香」はもちろんのこと、

花をお供えする時も、見た目だけでなく香りの良いものを供える方が、

仏様・ご先祖様がお喜びになるでしょうし、現世の人間にとっても心地良いのは言うまでもありません。

いや、人間だけでなく

カエルのような「一切のいのち」にも供養を施していることになるのでしょう。

 

忙しい日常に身を置いていると、

自然な薫りを”味わう”ことや、虫の音色に”耳を傾ける”ことなどの

生物としての「五感」を意識することを忘れがちです。

 

日常のふとした空き時間には、自然に身を置き、自然に没入して

五感を取り戻してみませんか?

新たな発見があるかも知れません…

 

合掌 南無妙法蓮華経